成功するギバーになろう!!GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代

今回はアメリカの心理学者であるアダム・グラント著【GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代】を読んだのでそのまとめや感想を書いていこうと思います。

GIVE&TAKE

GIVE&TAKEとは、与えたり奪ったりすることです。本の冒頭で

惜しみなく与える人のことをギバー
真っ先に自分の利益を優先させる人をテイカー
損得のバランスを考える人をマッチャー

というふうに分類しています。ギバーは他人を中心にものごとを考え、自分の損失や見返りを求めず自分が持っている時間や知識、人脈などをフルに相手に分け与えようとします。 それに対して、テイカーは自分を中心にものごとを考え、自分に利益が出るように行動します。マッチャーは与えてもらったら同じだけ返し、与えた場合は同じだけの見返りを求めます。仕事の中で考えると結構思いつくかと思います。自分のことを後回しにして人のことを手伝ったり、気に掛ける人(ギバー)。人にやってもらったのに、いかにも自分がやったかのようにアピールして手柄を横取りする人(テイカー)。与えたり、与えられたりのバランスを調整する人(マッチャー)。この本ではこの3つのタイプの中で一番成功するのはギバーだと言っています。だからみなさんもギバーになりましょう。ここからはその根拠について書いていきます。

もっとも生産性が低く、効率が悪いのはギバー

ある調査によると、成功から一番遠い位置にいるのはギバーであると書いています。自分の時間等を犠牲にして相手の役に立つことを最優先に考えているからです。それはどの職業においても同じです。エンジニアの世界では他人の仕事を手伝っていたせいで、自分の仕事にまで手が回らず、仕事量や報告書、ミス、締切りの遵守等あらゆる点でギバーが最下位だったそうです。医学部でも、自分の知識を他人に分け与えたり、勉強を手伝ったりしてギバーの成績が一番悪くなってしまいました。販売員もまた同じで、ギバーは強引に売りつけたりはせず、お客さんにとっての一番を考えていたせいでテイカーやマッチャーに2.5倍もの差をつけられてしまいました。ギバーは思いやりがあるため、あらゆる職業で自分を犠牲にして他人を助け、その結果生産性が低く、効率が悪くなっていました。

もっとも生産性が高いのもギバー

では逆に最も生産性が高かったのはどのタイプかというと、これもまたギバーという結果になりました。先ほどのエンジニアの調査でも、医学部の調査でも、販売員の調査においても同じ結果でした。つまりギバーは一番下と一番上を占めているのです。もちろんテイカーやマッチャーが成功することもありますが、テイカーやマッチャーが成功するときと、ギバーが成功するときでは周りに大きな違いが出るそうです。それは、ギバーが成功する場合には敗者が出ないということです。ギバーが成功すると周囲からの非難はなく、その人たちにまで成功が広がっていきます。つまりウインウインの関係になります。逆にテイカーが成功すると誰かが負けて、周囲からは非難され、妬まれやすくなります。

2種類のギバー

では成功するギバーと失敗するギバーの違いはどこにあるのでしょうか。それは、成功するギバーは他者志向性であり、失敗するギバーは自己を犠牲にするという違いがあるそうです。他者志向性のギバーは、もちろんたくさん与えますが、同時に自分の利益も確保できるかということを考えながら与えるかどうかを決定しています。一方、自己犠牲のギバーはたくさん与えて、与えたことによる影響を実感できないときや、それが認めてもらえないときに燃え尽きてしまいます。本当に人の役に立っているのか・・・、時間だけ無駄にして何も貢献できていないのではないか・・・という不安から悩んでしまうそうです。他にも自己犠牲ギバーの特徴として、支援を受けることに居心地の悪さを感じるそうです。対して、他者志向性のギバーは人に助けを求め、アドバイスや協力を仰ぐそうです。

自己犠牲型のギバーはとにかくいい人で、人に利用されるだけの人です。日本人にも多いのではないかと思います。そういった人たちは、テイカーやマッチャーに負けて、下位グループに入ってしまいます。これからは相手も自分も幸せになるウィンウィンのことを考え、周囲からのサポートを受け入れ、目的意識をもってギブするようにしましょう。そして成功するギバーを増やしていきましょう。

ただし、ここでテイカーに注意しましょう。ぱっと見だけでは分からないテイカーも存在します。自分の利益だけを考えて、そのためにあらかじめたくさん与えてくるテイカーがいます。それは後々自分の利益を確保するための一時的なギブです。ギバーの中にテイカーがいるとそのグループはテイカーによって搾取されてしまうのでまずはテイカーを見分け、排除していきましょう。

テイカーとマッチャーの特徴

では、テイカーとマッチャーを見抜くにはどうしたらいいのか。テイカーは自分のことで頭がいっぱいなので三人称の「私たち」よりも、一人称の「私」を使うことが多くなり、自分のことを優秀だと思っているので給料を高く設定しています。また、フェイスブックのプロフィール写真は実際よりも写りが良いものを選んでいましたマッチャーは、助けたらお返しをしてくれる人にだけ与え、与えてもお返しがない場合は与えない、つまり公平性を保っていました。そのためマッチャーはテイカーに搾取された時にはその分の仕返しをしてしまいます。

テイカーがギバーになるには

それでは、今現在テイカーだという人がギバーになることはできるのでしょうか。この本では、テイカーに与えようという気にさせることができれば可能といっています。行動を変えれば信念も後からつい来るようになるそうです。つまり自ら進んでギバーになると決めたら、それを変えるわけにはいかなくなり、その結果、自分は与えたいと思うようになるそうです。自ら変わるために行動するということが大事なようですね。

ギバーの特徴

それではこの本に書いてあるギバーの特徴をいくつか紹介します。

  • 価値を交換するのではなく、価値を増やす
  • 頼りあうことが弱さだと考えない
  • 自分だけでなくグループ全体の利益を大きくする
  • うまくいかないときは自分が責任を負い、うまくいっているときは他の人を褒める
  • どの人も才能があるから、その人の一番良いところを引き出そうとする
  • 判断を誤った場合、進んで失敗を認め、ほかの人々にとって一番大切なことを考え柔軟に意思決定する

まとめ

やはり、与えることはいい事だということを、改めてたくさんのデータと実例から学ぶことができました。ただ与え続けるだけでは、自己犠牲ギバーになってしまうし、そこは他者志向になっていかなくてはいけません。また、ギバーとして成功するにはたくさんの時間を要すると思うし、本当に成功するギバーは成功したいとか考えず、他人のことを優先して考えるので、そこはまだまだ変えていかなくてはいけないなと思いました。この本とても面白いと思ったので是非読んでいない方は読んでみてください。

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